濱風商事さま / 澤田

需要データの取得マップWHAT WE CAN MEASURE, AND HOW — 2026.08.18

「どんなデータを、どの仕組みで取るのか」を1枚にしました。 海外バイヤーがサイトに来てから帰るまでの各段で、何が記録され、何が記録されないかを並べています。 Google アナリティクス(GA4)でできること・できないこともはっきり分けました。 いちばん大事な結論は「誰が見ているかは GA4 では取れない。しかし別の方法で取れる」です(5番)。

記号: GA4Google アナリティクスで取る  自前濱風さまのサイトが自分で記録する  未実装これから作る  取れないどの方法でも取れない

1バイヤーが来てから帰るまで — 各段で何が残るか

① たどり着く検索・リンク・直接
GA4どこから来たか(検索・メール・SNS・直接)/検索エンジンで打った言葉
未実装企業別リンクで来た場合は「どの会社か」が分かる ← これが唯一「誰が」を最初から特定できる経路
② ページを見るトップ/カテゴリ/メーカー/商品
GA4どのページを何回見たか/滞在時間/どの国から
自前種別つきで記録(カテゴリを見たメーカーを見た商品を見た)+国・セッション
③ 中を探すサイト内検索
自前打った言葉そのまま/ヒット件数(0件も必ず記録)/絞り込んだ条件/国
GA4検索語の傾向も見えるが、「仕入れ判断の材料として貯める」のは自前が正本
④ 商品を見るじっくり見たか
自前商品ごとの表示秒数/スクロールの深さ(離脱時に1回だけまとめて送る)
GA4スクロールは「90%まで読んだか」の1点だけ。秒数は商品単位で取れない → ここは自前が細かい
⑤ 外へ出るメーカー公式などへ
GA4外部リンクのクリック(いま取れていない。GA4 を入れると増える)
未実装自前でも記録すれば「扱っていない商品への関心」=仕入れ候補として貯まる
⑥ 連絡先を出す価格を見るためメール入力
自前メールアドレス。ここから先の行動が「その人のもの」として繋がる
GA4GA4 は個人を保存しない設計なので、ここは原理的に扱えません
⑦ 引合を出す見積・サンプル・探し物
自前会社名・担当者・商品・数量・要望。業務データとして残る
GA4「引合が発生した回数」までは見えるが、中身は扱えない

2いま取れているもの/取れていないもの

取りたいデータGA4自前いまの状態
どこから来たか(流入元)◎—GA4 を入れると新たに取れる
ページ閲覧◎◎✅ 取れている(GA4 へ寄せて自前を減らせる)
サイト内検索の言葉○◎✅ 取れている
🔴 0件だった検索△◎✅ 取れている。これが仕入れ判断の核
商品ごとの表示秒数✕◎✅ 取れている(GA4 では取れない)
スクロールの深さ△◎✅ 取れている(GA4 は90%到達の1点だけ)
外部リンクのクリック◎△いま取れていない。GA4 で増える
ファイルのダウンロード◎—いま取れていない。GA4 で増える
引合の中身✕◎✅ 取れている
どの国から◎◎✅ 取れている
🔴 どの会社が見ているか✕△部分的。5番で詳しく
サイトを離れた後の商談・受注✕✕どちらでも取れない(営業側の記録と突き合わせる)

3GA4 の守備範囲 — できること/できないこと

GA4 でできること(タグ1本で増える)

  • 流入元(検索・メール・SNS・直接)
  • 検索エンジンで打った言葉
  • 外部リンクのクリック ← いま取れていない
  • ファイルのダウンロード ← いま取れていない
  • ページ閲覧・滞在・国・端末
  • サイト内検索(住所が ?q= 形式なので設定だけで乗る)

GA4 でできないこと

  • 🔴 誰が見ているか(個人・企業の特定)
    個人を特定する情報を保存しない設計。規約でも禁止
  • 商品ごとの表示秒数(作り込めば可だが標準では不可)
  • スクロールは「90%到達」の1点だけ(25/50/75%は追加設定)
  • 🔴 0件検索を「仕入れ台帳」として構造化して残す
    件数は見えるが、業務判断に回す形にはならない
  • 引合の中身(会社名・数量・要望)
  • サイトを出た後の商談・受注との接続
つまり、こう分けるのが正解です

GA4 = 広く浅く、無料で、いま取れていないものを増やす。 トップ・カテゴリ・検索ページの閲覧記録は GA4 へ寄せられます。
自前 = 業務判断に使うものだけを、深く。 0件検索・商品ごとの秒数・引合の中身——この3つはGA4 では代われません。
⭐ 副次的な効果があります。ページ閲覧を GA4 に渡すと、濱風ポータルと共有しているデータベースの書き込み枠が空きます (いまの自前の記録は、この枠を食い潰さないよう「離脱時に1回だけ送る」窮屈な作りになっています)。

45つの層と、そこで取れるもの

サイトは5つの層でできています(需要エンジン v2 の設計)。層ごとに、取れるデータの性質が違います。

層中身ここで取れる需要データ主な方式
① メーカー一覧 日本のメーカーを英語で掲載。事実情報+濱風さまの一次情報 どのメーカーが見られているか(=どの産地・どの分野に関心があるか) GA4自前
② カテゴリページ
解説記事
大中小の階層+解説+規制記事 どのカテゴリで検索から来たか(=主戦場の手応え) GA4
🔴 ③ サイト内検索 外国語で打った言葉を記録 打った言葉/ヒット件数/0件だったもの
=「探されたのに無かったもの」=次に仕入れる候補
自前
④ 商品ページ 事実情報の仕様表 どの商品をどれだけじっくり見たか(秒数・スクロール)
扱っていない商品なら外部リンクのクリック=関心の強さ
自前GA4
⑤ 引合の受け口 見積・サンプル・「探しているものが無い」 会社・商品・数量・要望=いちばん濃い需要 自前
⭐ ③ が本命です — 商品が1点も無くても回ります

「探されたのに無かったもの」は、商品を1件も載せていない状態でも記録できます。 検索された言葉は、掲載の許諾や法的な判断に関係なく貯まるためです。
つまり、画像の話や許諾の話が決まるのを待っている間も、「何が求められているか」は分かる状態にできます。

5🔴 「誰が見ているか」は、どこまで分かるか

ここが GA4 の限界であり、濱風さまの目的の核心です。4段階に分かれます。

段状態分かること方式状態
0匿名で見ている 国・見たページ・滞在時間だけ。誰かは分からない GA4自前✅
1メールを入力した
価格を見るため
⭐ ここから先の行動が「その人のもの」として繋がる。検索した言葉も、見た商品も、個人に紐づく 自前✅
2引合を出した 会社名・担当者・商品・数量。いちばん確実 自前✅
3🔴 企業別リンクで来た ⭐ 押した瞬間から会社が分かる。メールを入れる前から 未実装未
🔴 GA4 は、この表のどこも埋められません

GA4 は個人を特定する情報を保存しない設計で、規約でも禁止されています。訪問者ごとに分解することはできません。
つまり「GA4 を入れる」と「誰が見ているかを知る」は、別の仕事です。 GA4 は前者(広く浅く)を安く担い、後者は「企業別リンク」と「引合」が担います。

⭐ 事業側のレビューでは、これが「唯一、初日から効く経路」と指摘されています

企業別リンク=こちらから送るリンクを会社ごとに変える仕組みです。 新しいサイトが検索で見つかるまでには6〜12ヶ月かかりますが、こちらから送るぶんには、送った翌日から反応が測れます。 いま未実装なので、ここが最優先の候補です。

6導入するときに決めること(2つ)

決めることなぜ必要か誰が
GA4 のアカウントを会社名義で Cloudflare と同じ理由です。後から移すのが面倒なので、最初から会社名義で作ります 濱風さま
最初に狙う地域 EU 圏を狙うなら、同意の確認画面が要ります(GA4 も自前の記録も同じ)。地域が決まらないと、この画面を作るかどうかが決められません 濱風さま

澤田 / 2026年8月18日。「取れる/取れない」は、すべて実装と GA4 の仕様を確認したうえで書いています。 取れないものは、取れないと書いています。ご不明な点はお気軽にお尋ねください。