8月12日にお預かりした宿題の1つです。
「Metoree は日本語の解説を翻訳して海外版に流用しているのに成立している。
一方で『中身を足さずに量だけ増やすのは禁止』とも聞いている。どちらなのか」——この線を引きました。
Google が公開している規定の原文と、8月13日に実際にサイトを調べた結果を突き合わせています。
1先に結論(3つ)
- 翻訳そのものは禁止されていません。 Google は「翻訳された版は重複として扱わない」と明記しています
- 禁止されているのは「よそから持ってきた中身を・自動で変換して・読者の役に立たないまま大量に増やす」ことです。この3つがそろって初めて該当します
- 濱風さまの計画のうち、3つがそろってしまうのは1か所だけです——メーカーさまの商品説明文を機械翻訳して並べる場合。それ以外は当たりません
2Google が実際に書いていること
解釈ではなく、公開されている文書の原文です。2026年8月14日に取得しました。
① 翻訳した版は「重複」ではない
Google 検索セントラル「ローカライズ版ページについて Google に知らせる」
ページのローカライズ版が重複と見なされるのは、ページの主要な中身が翻訳されないまま残っている場合だけです。
原文: “Localized versions of a page are only considered duplicates if the main content of the page remains untranslated.”
つまり「同じ内容を多言語で出すと、重複とみなされて順位が下がる」というのは誤りです。
きちんと翻訳されていれば、それは別のページとして扱われます。
② 禁止されているのは「かき集めて・自動変換して・価値がないもの」
Google 検索セントラル「スパムに関するポリシー」(ページ最終更新 2026年5月15日)
規模化されたコンテンツの不正利用とは、検索順位を操作することを主な目的として、ユーザーの役に立たない多数のページを生成することです。…
その例の1つ: フィードや検索結果、その他のコンテンツをかき集めて多数のページを生成すること
(同義語への置き換え、翻訳、その他の難読化のような自動変換を通じたものを含む)で、ユーザーにほとんど価値を提供しないもの。
原文: “Scraping feeds, search results, or other content to generate many pages (including through automated transformations like synonymizing, translating, or other obfuscation techniques), where little value is provided to users”
ここが線引きの本体です。「翻訳」は自動変換の例として列挙されているだけで、
それ単独では違反になりません。①よそから取ってきた ②自動で変換した ③読者に価値がない——
この3つが同時に成り立つときに該当します。
③ もう1つ、近い規定があります
同ページ「実体のないアフィリエイトページ」
商品の説明文やレビューを元の販売者からそのままコピーし、独自の中身も付加価値も無いまま公開すること。
原文: “…the product descriptions and reviews are copied directly from the original merchant without any original content or added value.”
濱風さまの計画で「メーカーさまの商品説明文をそのまま載せる」場合、
翻訳するかどうかに関係なく、こちらの規定のほうが近くなります。
アフィリエイトリンクの有無は違いますが、「元の売り手の文章をコピーして、足したものが無い」という形は同じです。
3濱風さまの計画に当てはめると
面ごとに、上の3条件がいくつ当てはまるかで判定しました。
| 面 | やり方 | 判定 | 理由 |
商品の事実情報 型番・仕様・容量・MOQ・納期 |
機械翻訳でよい |
問題なし |
買い手が必要としている事実そのものなので、「価値がない」に当たりません。表であって文章でもありません |
| メーカーさまの商品説明文 |
機械翻訳して大量に並べる |
ここだけ危ない |
3条件がそろいます。よそから来た文章(①)を、自動翻訳し(②)、足したものが無い(③)。しかも上の「実体のないアフィリエイトページ」にも近づきます |
カテゴリの解説 (濱風さまの主戦場) |
日本語で書いたものを翻訳して流用 |
条件つきで可 |
①に当たりません——濱風さまご自身が書いたものだからです。Metoree が実際にこれで成立しています(次章) |
| 規制・実務の記事 |
同上 |
条件つきで可 |
同じく①に当たりません。ただし読む人が変わるので、翻訳だけでは足りません(米国向けのFDAの話は、EU向けにはそのまま使えません) |
ここで1つ、うまく噛み合ったことがあります
- 「画像とメーカーさまの説明文は持たない/事実情報は持つ」という線は、もともと著作権の観点から引いたものでした
- 今回 Google の規定から引いた線が、まったく同じ場所に来ました
- 別々の理由が同じ結論を指しているので、この線は動かさなくてよいと考えます
4Metoree が翻訳流用で成立している理由(実測)
8月13日に、Metoree のフランス語版と日本語版を並べて確認しました。
- 翻訳流用であることは確認できました。 見出しの構成が完全に一致し、解説の中の番号つき列挙も
「1. Pompes à vide rotatives à huile」=「1. 油回転」と一対一で対応していました
- ただし、そのままのコピーではありませんでした。 フランス語版は解説がページの上に来ており、掲載メーカーは3社のみ、レビューや製品一覧はありません。
日本語版とはページの組み立てそのものが違います
つまり Metoree がやっているのは「翻訳して貼る」ではなく「翻訳したうえで、その国向けに作り替える」です。
上の3条件でいう③(価値がない)を避ける側の作りになっています。
⚠ 正直に申し上げると、これが意図した設計なのか、単に海外版がまだ作りかけなのかは、外からは判別できません。
「翻訳しただけの版とは違う形になっている」という事実までが、こちらで確認できたことです。
5技術面で、先に決めておきたいことが1つあります
言語ごとにURLを分けるかどうかです。ここだけは、あとから直すのが実質的に作り直しになります。
Google 検索セントラル「多地域・多言語サイトの管理」
ページの表示言語を切り替えるのに Cookie やブラウザの設定を使うのではなく、言語ごとに別のURLを使ってください。…
言語設定にもとづいて動的に中身を切り替える方式をお選びになる場合は、Google がすべての版を見つけてクロールできない可能性があることにご留意ください。
原文: “Use different URLs for each language version of a page rather than using cookies or browser settings…” / “…be aware that Google might not find and crawl all your variations.”
この警告が現実に起きている例が、すぐ隣にあります
umamill さまです。 8月13日の調査でお伝えしたとおり、umamill さまのサイトは
言語を切り替えてもURLが変わらず、言語を教えるタグ(hreflang)も地図ファイル(sitemap)もありません。
その結果、Google から見えているのは日本語版だけになっています。
英語表示は用意されているのに、英語で検索した海外バイヤーには出てきません。
上の Google の警告が、そのまま起きている状態です。
濱風さまは、最初から /en/ /ja/ のように言語でURLを分け、
hreflang(どの版がどの言語かを Google に教えるタグ)をセットで入れる——これをお勧めします。
⚠ hreflang には1つ落とし穴があります。 Google は
「2つのページが互いを指し合っていなければ、タグは無視される」と明記しています。
片側だけ入れても効果はゼロです。入れるなら両方向、が要件です。
Metoree は hreflang を入れていません。それでも成立しています
実測では、Metoree の日本語版の hreflang は0件、フランス語版は
de / en-us / es / fr の4本だけで日本語が入っていません。
つまり言語ごとに独立した別サイトとして積み上げている形です。
これでも成立はしますが、各言語がゼロから順位を積み直すことになります。
Metoree は日本語版で長年かけてドメインの評価を築いた土台があります(「新設カテゴリでも順位が取れるのは
ドメイン評価が上がったから」と佐瀬さまにご回答いただいたとおりです)。
濱風さまはこれから始める新しいサイトなので、この遠回りをする理由がありません。
6費用の話につながる部分(総額見積もりの第3段)
次回の定例でご相談する総額見積もりのうち、多言語の段に何を積むかがここで決まります。
「翻訳費」だけではありません。
- URL構造を言語で分ける(作り始めの設計。あとからだと作り直し)
- hreflang の相互参照(入れるなら両方向。片側だけは無効)
- その国向けの作り替え(Metoree がやっていたこと。翻訳だけでは③の条件に近づきます)
- 商品用語の辞書(次の段落)
4番目の根拠です。8月13日に ZenMarket の検索を実物で確認したところ、
英語で yuzu kosho と入れると「ゆず 胡椒」(2語に分けたひらがな)に変換されており、
調味料名の「柚子胡椒」にはなっていませんでした。
汎用の機械翻訳だけでは、商品の用語が落ちます。
海外のバイヤーが実際に使う言葉を取りこぼさないためには、翻訳とセットで辞書が要ります。
7この整理の限界(正直に)
- ここに書いたのは「公表されている規定」であって、判定結果の保証ではありません。 実際にどう判定されるかは Google 側にあります
- 「価値がある/ない」を決めるのもこちらではありません。 だからこそ、3条件のうち①②を構造的に避けられる形——自分たちで書いたものを翻訳する——を選ぶのが、判定に左右されない唯一の道だと考えます
- Metoree のフランス語版が意図的な作り替えかどうかは、外からは判別できません(前章に明記)
出典(すべて 2026年8月14日に取得)
— Google 検索セントラル「スパムに関するポリシー」 developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies(ページ最終更新 2026年5月15日)
— Google 検索セントラル「ローカライズ版ページについて Google に知らせる」 developers.google.com/search/docs/specialty/international/localized-versions
— Google 検索セントラル「多地域・多言語サイトの管理」 developers.google.com/search/docs/specialty/international/managing-multi-regional-sites
— metoree.com 日本語版・フランス語版の実測(2026年8月13日)/ www.umamill.jp の実測(同日)
作成: 澤田 / 2026-08-14。8月12日にお預かりした宿題3件のうちの1件です。最新は共有ページをご覧ください。