濱風商事さま / 澤田

なぜこの作りにするのかDESIGN RATIONALE — CATALOG SITE

カタログサイトのページの作りを決めました。この文書は「決めたこと」ではなく「なぜそうするか」を残すものです。 参考にしたのは Metoree・umamill さま・ZenMarket の3社で、3社とも実際にサイトを開いて中まで確認しています。 骨組みは Metoree に合わせ、他2社の良いところを取り込みました。 3社と違える判断を4つしており、そこは理由をとくに詳しく書いています(4番)。

13社を並べると、こうなっていました

作りの要素Metoreeumamill さまZenMarket濱風さまは
現在地の表示(パンくず)3段2段(カテゴリを挟まない)無しMetoree に合わせる
カテゴリの解説文あり・主戦場無し無しMetoree に合わせる
商品の仕様表資料PDF頼み非常に厚い無しumamill さまに合わせる
元の日本語の商品名—日本語が原文残しているZenMarket に合わせる
価格の見せ方相場のみログインが必要商品代のみ+計算機メール入力で開く
問い合わせボタン複数社へ一括見積ログインしないと出ないカートに入れる開けておく
絞り込み地域・並べ替え保存温度・産地・賞味期限・認証出品者・状態・手数料umamill さま+独自2つ
安心してもらう説明レビュー・閲覧人数—補償・検品・梱包の説明ZenMarket に合わせる

2カテゴリのページ — Metoree の並び順をそのまま採ります

解説文は「上に短く・一覧の下に全文」の2段構えにします

Metoree は、同じ解説をページ上部に約330字の抜粋、商品一覧の下に約3,400字の全文で置いていました。 「もっと読む」を押しても別のページには飛ばず、同じページの下へ移動するだけです。

なぜそうするか:見に来た人はまず商品の一覧が見たいので、長い解説を先頭に置くと帰ってしまいます。 一方、検索エンジンに評価されるのは解説の中身の厚みです。この2つは両立できます——同じページの上と下に分ければよいだけです。 別ページに分けると解説だけが浮いてしまい、隠すと検索エンジンから評価されません。

絞り込みは、umamill さまの4項目をいただきます

保存温度帯/最終製造地/賞味期限/認証・規格。これに濱風さま独自で販売対象国と最小ロット(MOQ)を足します。

なぜそうするか:この4項目は、どれも輸出できるかどうかが直接決まる条件だからです。 保存温度帯は輸送手段と費用が変わり、賞味期限は船便で何日かかるかと直結します(短いものはそもそも送れません)。 認証は仕向地によっては必須です。一般の通販の絞り込み(価格・人気順)とはまったく違う軸で、 ここが弱いと、せっかく商品を並べても海外バイヤーには使えない一覧になります。
独自の2つを足す理由:「自分の国に売れるものだけ見たい」が海外バイヤーの最も多い要望で、 最小ロットは小口のバイヤーが最初に諦める点だからです。そして「ここで弾かれた件数」自体が、濱風さまにとっての需要データになります。

3商品のページ — umamill さまの仕様表をいただきます

umamill さまの商品ページには、輸出の実務に直結する項目が並んでいました。ここは率直に、非常によくできています。

まとまり入っている項目
内容物原材料名/PHOs(部分水素添加油脂)を含むか/主原料の産地/栄養成分/アレルギー物質/アルコール度数
商品の補足保存温度帯/賞味期限/販売可能時期/サンプル発送可能時期/最終製造地/JAN/販売対象国
輸出に関する情報内容量/ケース入数(配送単位)/梱包サイズ(縦×横×高さと体積 m³)/ケースあたり重量/輸出ロット数(最小・最大)
メーカーメーカー名/所在地/認証・規格

なぜこの表を持ってよいのか:ここに並ぶのはすべて「事実」です。 事実そのものに著作権はありませんので、メーカーさまの説明文や写真とは扱いが違い、濱風さまが自前で持てます (お預かりするのは事実のみで、説明文と画像は持たずに元のページへお送りするという線引きは変えません)。

とくに効くのが「梱包サイズを体積(m³)まで出すこと」です

なぜそうするか:海外バイヤーは容積で船賃を計算します。ここが無いと、 見積のやり取りが必ず1往復増えます(「1ケースの寸法を教えてください」→回答→ようやく計算)。 最初から出しておけば、相手はその場で自分の国までの費用を概算できます。

「PHOs(部分水素添加油脂)を含むか」も、そのまま採ります

なぜそうするか:これは米国の規制に直結する項目です。 濱風さまは FDA・FSVP・英語表示 といったテーマの記事で検索を取りにいく計画なので、 記事と商品データが同じ言葉でつながります。読んだ人がそのまま該当商品にたどり着ける形になり、効果が二重になります。

元の日本語の商品名を残します(ZenMarket からいただきます)

ZenMarket は商品ページの中に「Original Japanese name:ホシサン 柚子胡椒(青)80g(無添加 ゆずこしょう)」と、 日本語の正式名称をそのまま残していました。

なぜそうするか(3つ): ①輸入の書類や通関では日本語の正式名称が要ることがあり、英語名だけでは足りません。 ②バイヤーが日本の他のサイトと突き合わせて「同じ商品か」を確認できます。 ③濱風さまの社内でも効きます。仕入先とのやり取りは日本語なので、 英語のページから日本語名がすぐ引ければ、社内での探し直しが要らなくなります。

「安心してもらう説明」を置きます(ZenMarket からいただきます)

ZenMarket の商品ページには、商品の情報とは別に取引が安全であることの説明がありました。 補償の上限、希望すれば写真で検品すること、どう梱包するかの工程説明、何日で着くか、です。

なぜ Metoree 型ではなくこちらか:Metoree は「4,840人以上が見ています」「レビュー4.9」で安心させています。 しかしこれは母数が大きいから成り立つもので、始めたばかりの濱風さまが同じことをすると、逆に「人が来ていない」ことを自分から見せてしまいます。 一方 ZenMarket 型は取引実績が1件も無くても書けます——どう梱包するか、何日で着くか、何かあったらどうなるか、は今日から書けるからです。

43社と、あえて違えるところ(4つ)

違えます検索で見つからなかったとき、無関係な商品で埋めません

ZenMarket は、でたらめな文字を入れて検索しても「見つかりませんでした」と出さず、無関係な商品を並べます(実際に確かめました)。

なぜ違えるか:目的が正反対だからです。 ZenMarket は買い物のサイトなのでお客さまを手ぶらで帰さないのが正解です。 濱風さまのサイトの目的は「海外バイヤーが何を探しているかを知ること」。 探されたのに濱風さまに無かったもの=次に仕入れる候補・次に許諾を取る候補であり、 これは無関係な商品で埋めた瞬間に、永久に分からなくなります。
⚠ この判断の副作用も先に申し上げます。「検索したのに何も出ない」画面は、見た目には不親切です。 あとから「ヒット率が低い」と評価されるかもしれませんが、それは失敗ではなく意図した設計です。 その代わり、「無かったもの」の一覧を週ごとにお渡しします——これが濱風さまの仕入れ判断の材料になります。

違えます見積・サンプルのボタンは、ログインなしで押せるようにします

umamill さまの商品ページは、ログインしていないと見積もサンプル依頼も押せません(出るのは「新規登録」「ログイン」だけです)。

なぜ違えるか:umamill さまの目的は会員を集めることで、これは正しい設計です。 濱風さまの目的は需要を観測することなので、行動を閉じると、観測できる件数そのものが激減します。
ただしまったくの開放にもしません。価格を見るときにメールアドレスだけ入力していただく形にします。 umamill さまより手軽で、完全開放よりは連絡先が残る——という中間を採ります。 (加藤さんからいただいた「入口を下げて需要を見る」と「会員登録でホットリードを取る」を両立させる、というご方針に沿った形です)

違えます言語を増やすときは、言語ごとに別の住所(URL)にします

3社を比べたところ、検索面で多言語を活かせているのは ZenMarket だけでした。 Metoree は日本語版と海外版が検索エンジン上でつながっておらず、 umamill さまは言語を切り替えても住所が変わらないため、日本語版しか検索エンジンから見えていません。

なぜ違えるか:後から直せないからです。言語ごとに住所を分ける設計は、 あとで足そうとすると全ページの作り直しになります。いまは英語だけで公開しますが、 将来増やす前提の形にしておきます。

違えます「◯◯人が見ています」「レビュー◯.◯」は当面出しません

なぜ違えるか:3番の最後に書いたとおり、母数が足りないうちに出すと、需要の弱さを自分から見せてしまうからです。 データは最初から取っておき、置き場所も作っておきます。出すのはカテゴリあたりのレビューが二桁に乗ってからです (あとから足すと全ページの作り直しになるため、入れ物だけ先に作ります)。

5ここで、濱風さまにご相談があります

3番の「仕様表」を厚くするには、商品マスタ(スプレッドシート)に列を増やす必要があります。
そしてそこに入力していただくのは濱風さまです。どこまで入力できそうかを、先に伺わせてください。

なぜ先に伺うか:列だけ作って埋まらないと、空欄だらけの表ができます。 これは「情報が少ない会社」に見えるので、無いよりかえって悪くなります。 確実に埋まる項目だけを出すのが正解で、そのためには何が手元にあるかを先に知る必要があります。

目安として、こう分けて考えていただければ十分です。

この文書の位置づけ:ここに書いたのは作りの方針とその理由です。 ご意見をいただければ、理由ごと見直します。とくに4番(3社と違える判断)は、 濱風さまの狙いと合っているかどうかで正解が変わるところなので、違和感があればお聞かせください。

澤田 / 2026年8月14日。3社とも実際にサイトを開いて確認した内容にもとづいています。 数字と原文はすべて実物から写しています。推測で埋めた箇所はありません。